オンライン講座
「タンチョウレスキューの現場から~釧路市動物園の取り組み」
(2021年1月23日開催)報告サイト

 
  地域の人々と国の政策による保護活動によって個体数を回復してきたタンチョウですが、より人に近い場所で暮らすようになったことで、「事故」の増加や、様々な人とのあつれきが生まれています。
 講座では、現在のタンチョウをとりまく現状や、動物園への保護収容の原因、タンチョウの命をつなぐ現場で行われている様々な取組みをご紹介いただきました。園内で事前に撮影したバックヤードの映像や、手作りの治療器具などもご覧いただきながら、私たちにできることをみつめていただく機会になればと思います。

オンライン講座
「タンチョウレスキューの現場から
 ~釧路市動物園の取り組み」
(2021年1月23日開催)報告サイト

 

 地域の人々と国の政策による保護活動によって個体数を回復してきたタンチョウですが、より人に近い場所で暮らすようになったことで、「事故」の増加や、様々な人とのあつれきが生まれています。
 講座では、現在のタンチョウをとりまく現状や、動物園への保護収容の原因、タンチョウの命をつなぐ現場で行われている様々な取組みをご紹介いただきました。園内で事前に撮影したバックヤードの映像や、手作りの治療器具などもご覧いただきながら、私たちにできることをみつめていただく機会になればと思います。

(開催日)2021年1月23日(土)
(参加者)11名
(講 師)
飯間 裕子さん
     (釧路市動物園 ツル担当獣医師)
(主 催)湿原学習のための
     学校支援
ワーキンググループ事務局
     (環境省釧路自然環境事務所)

(開催日)2021年1月23日(土)
(参加者)11名
(講 師)飯間 裕子さん
(釧路市動物園 ツル担当獣医師)
(主 催)湿原学習のための学校支援ワーキンググループ事務局
    (環境省釧路自然環境事務所)


   講座内での紹介動画

   個人情報に関わる映像は一部加工して掲載しています。


タンチョウが電線を飛び越えて飛ぶ様子。飛んでいるタンチョウが電線に衝突する事故が起こります。電線に付けてある黄色いマーカーは、電線を目立たせてタンチョウがぶつからないように電力会社さんがつけてくれている衝突防止用のマーカーです。


タンチョウは車が近づいてきてもカラスのようには飛んで逃げず、歩いて移動します。こうした認識をなかなか持ちづらいことが交通事故が増えている原因と考えられます。道路にタンチョウがいるのを見つけたら、車のスピードを落としてくださいね。


ここ10年程でとても増えてきている事故で、牛のふん尿を処理するため池のような施設に落ちてしまうと脱出することができません。骨折などの大きな怪我を負うことが少なく、救助ができれば、高い野生復帰率を誇る事故です。


義足のタンチョウや長期療養が必要なツル達が暮らす施設です。釧路市動物園で最初に公開を始めた義足のタンチョウ、モモ。皆さんにモモの姿を見ていただくことでタンチョウの現状を知ってもらうきっかけになればと考えて一般公開を始めました。


最初にツル達が運ばれてきて集中的に治療が必要なツルが過ごす施設です。1.8m四方のケージはツルにとってジャストサイズで、翼を広げると2.5mにもなるタンチョウは、この広さのケージだと飛び上がって逃げようとしません。


タンチョウを治療したりハンドリングするための手作りの道具で、お互いに怪我をしないように、より便利に治療が進められるようにするために、色々な道具を自分たちで考えて作り、改良を重ねています。


残っている足の長さ・形はそれぞれの個体で違うため、個体毎に足の型をとり、ぴったり合う義足を手作りで制作しています。手作り感満載ですが、型を取ってから急げば翌日には義足を付けてあげることができます。義足の材料は、歯医者さんが入れ歯を作る時に使う材料などを使っています。


ハンモックはホームセンターで売っているイレクターという材料を使って制作しています。床ずれを予防するための褥瘡(じょくそう)防止パッド、ヒナ用ハンモックなども全て手作りで、100円均一ショップで売っている材料などから制作しています。


込み入った治療や手術をする時に、動物病院で処置を行います。死んで収容された多くのタンチョウ達もこの施設で病理解剖を行い、死亡原因や基礎的なデータを記録として残しています。こうしたデータ、標本を今後の研究、保護活動に活かしていくことがすごく大切になっていきます。


保護されるタンチョウは痩せて状態が悪い場合がほとんどで、そんなタンチョウには、食道に管を入れて水分を補給したり、栄養満点のツル団子を食べさせます。


なるべく早く義足を付けて立たせてあげて、歩かせてあげることが大事になります。なるべく歩きたいという欲求が残っているうちに、筋力が落ちて歩けなくなる前に、リハビリを始めてあげるということが大切です。


2020年6月、釧路市動物園近くの公共施設で保護された約1カ月齢の迷子のタンチョウのヒナです。懸命の捜索にも関わらず親鳥は見つからず、動物園で保護された後、阿寒国際ツルセンターに移り、すくすくと育っています。


2017年7月、ケガをして保護されたヒナを4日後に親鳥に戻した瞬間の動画です。タンチョウは子煩悩で、保護されて1週間以内であれば親鳥に戻せる可能性があります。やむをえずヒナを保護する時は、必ず保護した場所を記録して下さい。


野生のタンチョウ達も、餌が貰えると分かると人間に寄ってくるようになり、依存するようにもなります。どうしてタンチョウなどの野生動物に餌を与えてはいけないのか。人間に依存するようになると色んな軋轢なども生むようになり、餌付けをしてはいけないという理由はここにあるのです。


タンチョウが電線を飛び越えて飛ぶ様子。飛んでいるタンチョウが電線に衝突する事故が起こります。電線に付けてある黄色いマーカーは、電線を目立たせてタンチョウがぶつからないように電力会社さんがつけてくれている衝突防止用のマーカーです。


タンチョウは車が近づいてきてもカラスのようには飛んで逃げず、歩いて移動します。こうした認識をなかなか持ちづらいことが交通事故が増えている原因と考えられます。道路にタンチョウがいるのを見つけたら、車のスピードを落としてくださいね。


ここ10年程でとても増えてきている事故で、牛のふん尿を処理するため池のような施設に落ちてしまうと脱出することができません。骨折などの大きな怪我を負うことが少なく、救助ができれば、高い野生復帰率を誇る事故です。


義足のタンチョウや長期療養が必要なツル達が暮らす施設です。釧路市動物園で最初に公開を始めた義足のタンチョウ、モモ。皆さんにモモの姿を見ていただくことでタンチョウの現状を知ってもらうきっかけになればと考えて一般公開を始めました。


最初にツル達が運ばれてきて集中的に治療が必要なツルが過ごす施設です。1.8m四方のケージはツルにとってジャストサイズで、翼を広げると2.5mにもなるタンチョウは、この広さのケージだと飛び上がって逃げようとしません。


タンチョウを治療したりハンドリングするための手作りの道具で、お互いに怪我をしないように、より便利に治療が進められるようにするために、色々な道具を自分たちで考えて作り、改良を重ねています。


残っている足の長さ・形はそれぞれの個体で違うため、個体毎に足の型をとり、ぴったり合う義足を手作りで制作しています。手作り感満載ですが、型を取ってから急げば翌日には義足を付けてあげることができます。義足の材料は、歯医者さんが入れ歯を作る時に使う材料などを使っています。


ハンモックはホームセンターで売っているイレクターという材料を使って制作しています。床ずれを予防するための褥瘡(じょくそう)防止パッド、ヒナ用ハンモックなども全て手作りで、100円均一ショップで売っている材料などから制作しています。


込み入った治療や手術をする時に、動物病院で処置を行います。死んで収容された多くのタンチョウ達もこの施設で病理解剖を行い、死亡原因や基礎的なデータを記録として残しています。こうしたデータ、標本を今後の研究、保護活動に活かしていくことがすごく大切になっていきます。


保護されるタンチョウは痩せて状態が悪い場合がほとんどで、そんなタンチョウには、食道に管を入れて水分を補給したり、栄養満点のツル団子を食べさせます。


なるべく早く義足を付けて立たせてあげて、歩かせてあげることが大事になります。なるべく歩きたいという欲求が残っているうちに、筋力が落ちて歩けなくなる前に、リハビリを始めてあげるということが大切です。


2020年6月、釧路市動物園近くの公共施設で保護された約1カ月齢の迷子のタンチョウのヒナです。懸命の捜索にも関わらず親鳥は見つからず、動物園で保護された後、阿寒国際ツルセンターに移り、すくすくと育っています。


2017年7月、ケガをして保護されたヒナを4日後に親鳥に戻した瞬間の動画です。タンチョウは子煩悩で、保護されて1週間以内であれば親鳥に戻せる可能性があります。やむをえずヒナを保護する時は、必ず保護した場所を記録して下さい。


野生のタンチョウ達も、餌が貰えると分かると人間に寄ってくるようになり、依存するようにもなります。どうしてタンチョウなどの野生動物に餌を与えてはいけないのか。人間に依存するようになると色んな軋轢なども生むようになり、餌付けをしてはいけないという理由はここにあるのです。